Characters

イェビ=ジェミ・ガイリオル

「双剣の運び手」としてシリーズのほとんどのエピソードで登場。

かつてアルソウム族の諸国家を悩ませたヤファイ海賊の末裔。マンガルメ王国の辺境の海村で漁師の次男として生まれ、アバルサ王国のチェレク連隊に入隊。史上最速で中隊長となり、第八中隊を率いてトゥーバの戦いに臨む(「兵站の王」「道標の歌」)。

トゥーバの戦いの後、陸軍を去り、西方への旅に出る。旅の途中で出会ったブレイと結婚し、首都ゼルワで傭兵として開業。様々な事件に関わることになる。

近年では珍しくなった双剣式の剣術の使い手で、連合王国最高の剣士の一人と目されている。

ブレイとの出会いによってヤファイ族の伝説の魔獣ガイリオルの宿主として覚醒している。

ダスティ峠のブレイ

「山の兄弟」と呼ばれる謎の民の頭目の次女。山の女神パルセノイの血を引く家系の跡取り娘であり、連合王国の全ての山道を記憶しているとされる。故郷のダスティ峠を出て西の果ての聖地アレバ山までの巡礼を終えた後は、首都ゼルワの下町の文士酒場「銀陽亭」に住み着いている。

「山の兄弟」の女性たちの中でも最も強力な3次元センシング能力を持つ人物で、敬意を込めて「パルセノイの娘御」と呼ばれている。

スピルキ・ファイス

チェレク連隊第八中隊の小隊長だったスピルキ・ルムディンの忘れ形見。アレバ山の戦いの後にイェビ=ジェミとブレイに里子として引き取られ、ゼルワで育つ。イェビ=ジェミの一番弟子として様々な冒険を経験。その後、傭兵親方資格取得とともにマハラビエ侯爵家に仕官。次期当主イスベル子爵の右腕として活躍する。

マハラビエ侯爵家の当主一族用として製作された最高級の剣の一つ「ブリンコラ」を父の形見として与えられている。

イニシュア

「アレチノギク」の主人公。

連合王国の南方に広がる巨大な湖、大ヤムスクロで湖上生活を送る少数民族ウランゲリ族の少女。湖賊紛争の時にファイスと知り合い、力を合わせて紛争の終結を実現させる。

湖賊紛争の後、大ヤムスクロ湖の全ての自然とシンクロする能力が発現。「湖の女神の娘」と呼ばれるようになる。

アリュ(アリュタドマ一世)の母。

シムロン・グウィル(カリュールク)

「兵站の王」の主人公。

アバルサ王国最大の貴族であるマハラビエ侯爵家の次期当主。ダナエ大学法学部を首席で卒業し、陸軍に入隊。チェレク連隊に主計担当参謀として配属される。1550年の2月から始まったチェレク連隊の北大陸遠征の兵站を取り仕切った後、現地で除隊。

その後はイスベル子爵シムロン・カリュールクを名乗り、侯爵家の経営改革を推進。ファイスやイニシュア、リムなど優秀な若者たちを支援しながら、着実に侯爵家の影響力を強化している。

後にアリュタドマ一世の宮廷で首席大臣となる。

ヴェレン・サアルト

「竜が居ない国」の主人公。

ゼルワ近郊で葡萄の農園と葡萄酒の醸造所を経営する青年。名門ダナエ大学法学部を出たものの官職には恵まれず、暇を持て余していたところを、大学の同期だった財務官僚のセヴィに声をかけられて巨大公共事業の予算の監査の仕事を与えられる。

実はかなりイタズラ好き。

後にアリュタドマ一世の宮廷で財務大臣を務める。

チェプサリ・マカリイ

ほとんど全ての長編で重要な役回りを演じる、シリーズ全体のトリックスター的存在である。

マレブ大学の教養学部を出て詩人としてすぐに頭角を現し、現在は連合王国最高の詩人の一人と目されている。宮廷の裏事情にも精通しており、イェビ=ジェミやソルやブレイやファイスに貴重な情報をもたらす。

レネル・リム

「竜が居ない国」のメインヒロインで「天頂環」の主人公。

連合王国の南東に広がる巨大な荒野ラヒジュ地方から移民してきたラヒジュ族の少女。「世界の果てを目指して旅を続ける」というレネル一族の伝統を守るため、サアルトに直訴して生まれ故郷のレナを出た。

クヒア築港事業の真相をサアルトとともに暴いた後はゼルワでのアルバイト生活を経てダナエに移住し、鬼畜先生ことシムロン・ツァルガの秘書となる。

ヒュラエズ

「黒いおじさん」「黒ワニ」「ウランゲリの男」などの名前で呼ばれる謎の剣士。自称は「黒いおにいさん」。

連合王国の闇に潜み、チェプサリと同じくシリーズのあちこちに現れて物語を動かす人物。

イェビ=ジェミとは異なる流派の双剣術を身につけており、その剣技は並みの使い手では全く歯が立たない。裏社会の大立者で、時には一瞬で何人もの敵を殺戮する冷酷さを見せるが、一方で虐げられた者や見どころのある若者にはさり気なく手を差し伸べるという二面性を持つ。彼の本名を知るのは少年時代の親友アネイリン一人だけである。

アネイリンとの遠隔同期で強力な防壁を展開出来るが、その使用には難しい条件がある。

フラビア

ゼルワの下町にある居酒屋「銀陽亭」の何代目かの女主人。通称「魔女の婆さん」。後継者を探していたときに現れたブレイを養女として店を売却。その後は専業の投資家として女性の創業支援に力を入れている。

彼女が仕入れてくる葡萄酒の質には定評があり、首都の貴族や大商人の多くを顧客に持つ。

銀陽亭にも何かの秘密があるらしいが、まだ作中では明らかになっていない。

カルム一世

160年前に「アルソウムの六つの冠」を全て手に入れてアルソウム連合王国を建国した人物。カルム大王とも呼ばれる。

ヤムスクロ・ブレル・マンガルメの三つの冠の主であったクルサ・アヴァク(アヴァク三世)の孫であるが傍系であったため、二十歳になると同時にクルサの家名を捨ててリュセ・カルムを名乗り、諸国漫遊の旅に出る。

クンビア大公国の奥地でラヒジュ地方への冒険行の準備をしていたときにベティエ伯爵家の次期当主ヴェクシオ・マクシに捕獲されてクルサ家を継ぐことを迫られる。

クルサ家の初代リトムルの再来とも呼ばれる卓越した武人・政治家。妻のレネル・キュロイはラヒジュ族の出身であったがカルムのグアダムル帰還から連合王国建国まで夫を支え、大衆の人気は絶大なものとなった。現在のクルサ家はカルムとキュロイの長男ディオラ二世の系統である。

連合王国の首都ゼルワの下町で文士酒場「銀陽亭」を経営する女傑。

ハルディン

首都ゼルワで貴族や大商人の子弟を対象にした古典の家庭教師をしている人物。銀陽亭の常連の一人で、イェビ=ジェミとブレイの知恵袋である。

ナラード・ハトゥガル

ダナエ大学医学部の学生。「鬼畜先生とともに歩む会」の現在の代表で、スフィルとともに鬼畜寮を仕切っている。大富豪の女性の私生児らしい。不真面目の塊。

エレ・スフィル

ダナエ大学教養学部専攻科の学生。「鬼畜先生とともに歩む会」の副代表。モヤンバ王国の大貴族ウィトマ伯爵家の次期当主。ウィトマ伯爵家は現在では珍しいウォラグネ族系の貴族であるが、それ以外にもスフィルの出自には秘密がある。

ヴァンカレム

チェレク連隊の情報参謀でグウィルの同僚。グウィルにライバル心を燃やす。後にチェレク連隊を継承して連隊長となり、アルソウム継承戦争ではアバルサ軍団長として東部戦線を支える。知略と人心掌握に長けた名将。

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