Characters

イェビ=ジェミ・ガイリオル

「道しるべの歌」の主人公。

マンガルメ王国の辺境の海村で漁師の次男として生まれ、アバルサ王国のチェレク連隊に入隊。歩兵として頭角を現し、史上最速で中隊長に昇進するも親友の死をきっかけに除隊。以降は市井の傭兵として首都ゼルワを中心に活動しているが、周囲からは親しみを込めて隊長と呼ばれている。

近年では珍しくなった双剣式の剣術の使い手で、連合王国最高の剣士の一人と目されている。「傭兵騎士」「アタルテアの双剣」などの二つ名を持つ。

ブレイ

「ナナカマドの娘」の主人公。

「山の兄弟」と呼ばれる謎の民の頭目の次女。山の女神パルセノイの血を引く家系の跡取り娘であり、連合王国の全ての山道を記憶しているとされる。故郷のダスティ峠を出て西の果ての聖地アレバ山までの巡礼を終えた後は、首都ゼルワの下町の文士酒場「銀陽亭」に住み着いている。

イェビ=ジェミとの間に二人の子供あり。

スピルキ・ファイス

「湖賊」の主人公。

チェレク連隊第八中隊の古参兵だったスピルキ・ルムディンの忘れ形見。アレバ山の戦いの後にイェビ=ジェミとブレイに里子として引き取られ、ゼルワで育つ。傭兵見習いとして数多くの実戦を経験し、湖賊紛争では湖上の民ウランゲリ族のショナムル支族と連合王国の仲立ちをして、紛争終結の立役者となる。

傭兵親方資格取得とともにマハラビエ侯爵家に仕官し、イスベル子爵の懐刀として高祖クルサ・リトムルの母親とされるンブレドゥマを巡る謎の解明という大手柄を上げる。イニシュアとの間に長女アリュタドマと長男ベルイアヴァクの双子を授かっている。

1561年1月に傭兵親方資格を取得。この時にイスベル子爵からマハラビエ侯爵家の一族専用である最高級の剣の識別番号三番「狐の〇三」を与えられた。

師匠と違っていたずら好きな一面も持つ。

イニシュア

「アレチノギク」の主人公。

連合王国の南方に広がる巨大な湖、大ヤムスクロで湖上生活を送る少数民族ウランゲリ族の少女。

湖賊紛争の時にファイスと知り合い、力を合わせて紛争の終結を実現させる。その後はファイスと別れて村に戻り、双子を生む。5年後にファイスと再会し、ンブレドゥマの謎を解き明かしてゼルワに向かう。ファイスと正式に結婚した後は、ゼルワ港を拠点にしてカルシ川と大ヤムスクロ湖の観光事業を起こしている。

イニシュア

シムロン・グウィル(カリュールク)

「兵站の王」の主人公。

アバルサ王国最大の貴族であるマハラビエ侯爵家の次期当主。ダナエ大学法学部を首席で卒業し、陸軍に入隊。チェレク連隊に主計担当参謀として配属される。

1550年の2月から始まったチェレク連隊の北大陸遠征の兵站を取り仕切った後、現地で除隊。

その後はイスベル子爵シムロン・カリュールクを名乗り、侯爵家の経営改革を推進。ファイスやイニシュア、リムなど優秀な若者たちを支援しながら、着実に侯爵家の影響力を強化している。

ヴェレン・サアルト

「竜が居ない国」の主人公。

ゼルワ近郊で葡萄の農園と葡萄酒の醸造所を経営する青年。名門ダナエ大学法学部を出たものの官職には恵まれず、暇を持て余していたところを、大学の同期の官僚セヴィに声をかけられて巨大公共事業の予算の監査の仕事を与えられる。

チェプサリ・マカリイ

「詩戦」の主人公だが、ほとんど全ての長編で重要な役回りを演じる、シリーズ全体のトリックスター的存在である。

マレブ大学の教養学部を出て詩人としてすぐに頭角を現し、現在は連合王国最高の詩人の一人と目されている。宮廷の裏事情にも精通しており、イェビ=ジェミやソルやブレイやファイスに貴重な情報をもたらす。

レネル・リム

「竜が居ない国」のメインヒロインで「天頂環」の主人公。

連合王国の南東に広がる巨大な荒野ラヒジュ地方から移民してきたラヒジュ族の少女。「世界の果てを目指して旅を続ける」というレネル一族の伝統を守るため、ソルに直訴して生まれ故郷のレナを出た。

クヒア築港事業の真相をソルとともに暴いた後はゼルワを経てダナエに移住し、鬼畜先生ことシムロン・ツァルガの秘書となる。

黒衣の剣士

「黒いおじさん」「黒ワニ」「ウランゲリの男」などの名前で呼ばれる謎の剣士。自称は「黒いおにいさん」。

連合王国の闇に潜み、チェプサリと同じくシリーズのあちこちに現れて物語を動かす人物である。イェビ=ジェミとは異なる流派の双剣術を身につけており、その剣技は並みの使い手では全く歯が立たない。裏社会の大立者で、時には一瞬で何人もの敵を殺戮する冷酷さを見せるが、一方で虐げられた者や見どころのある若者にはさり気なく手を差し伸べるという二面性を持つ。彼の本名を知るのは少年時代の親友一人だけである。

フラビア

連合王国の首都ゼルワの下町で文士酒場「銀陽亭」を経営する女傑。

その出自は謎に包まれていたが、「アレチノギク」で南方の少数民族ウランゲリ族のとある支族の出身であることが明らかになった。本名はヒュラーヴィアドゥマ。「銀陽亭」の不動産と経営権をブレイに売却した後は投資家として女性の創業支援に力を入れている。イニシュアの起業もフラビアが資金・ノウハウ両面で支援しているものである。

ハルディン

首都ゼルワで貴族や大商人の子弟を対象にした古典の家庭教師をしている人物。銀陽亭の常連の一人で、イェビ=ジェミとブレイの知恵袋である。

ナラード・ハトゥガル

ダナエ大学医学部の学生。「鬼畜先生とともに歩む会」の現在の代表で、スフィルとともに鬼畜寮を仕切っている。大富豪の女性の私生児らしい。

エレ・スフィル

ダナエ大学教養学部専攻科の学生。「鬼畜先生とともに歩む会」の副代表。モヤンバ王国の大貴族ウィトマ伯爵家の次期当主。ウィトマ伯爵家は現在では珍しいウォラグネ族系の貴族であるが、それ以外にもスフィルの出自には秘密がある。

ヴァンカレム

チェレク連隊の情報参謀でグウィルの同僚。グウィルにライバル心を燃やす。後にチェレク連隊を継承して連隊長となり、アルソウム継承戦争ではアバルサ軍団長として東部戦線を支える。知略と人心掌握に長けた名将。

タイトルとURLをコピーしました